第8回  FW若林はいつゴールするか (2004年5月12日)
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 日立栃木のエース、というより栃木県社会人を代表するストライカー・若林学選手がイレブンに加わって8試合が経過した。188センチの高さとゴールへの嗅覚に期待が集まるが、まだ初ゴールは生まれていない。
 FW若林のゴールが早く見たい!
(5月8日・足利市総合運動公園陸上競技場)
 開幕2試合をフル出場。以後、2試合で先発、4試合で途中交代出場している。3トップの先発が松永、石川大、茅島で固まってきた最近3試合では、いずれも後半15分過ぎに投入されている。公式記録はシュート数16、アシスト1。
 初アシストは、第8節・愛媛FC戦でのプレー。愛媛DF加藤とのオフサイドラインをめぐる駆け引きから、伊奈川のパスを受けると、加藤と競り合いながら右サイドに侵入。出てきたGK島津の直前で、ひっくり返りながらゴール前に転がした。これを高秀が決めた。高秀が派手な喜び方をしなかったのは「ほとんど若林さんのゴール」だったからだ。
 高橋監督は、この日も「点を取って来い」と送り出した。ピッチに入った若林は必死だった。控え選手にも優れたFWがいる中、使い続けてくれる監督に、もうそろそろ恩返しをすべき時だ。自身、試合ごとに「感触は良くなっています」と言っていた。「点を取るのが仕事」と自分に言い聞かせてもきた。アシストの際の並々ならぬ気迫は、そんな気持ちの表れだった。
 第6節・佐川急便東京戦の試合後、高橋監督は若林について「よくボールを受けて、つないで、走って、FWの仕事をやった」と評価した。愛媛戦での、DFをかわしてアシストするまでの動きも、FWの素養を感じさせた。最後はバランスを崩してしまったが、あれはパスではなくて、ガラ空きのゴールマウスを狙ったシュートだったのではないだろうか。だとすれば、FWとしての若林の評価はもう少し上がる(本人は謙虚に「パスです」と言った)。
 「若林は今まで、球際をきれいにやろうとして、持ち味が消えてしまっていたんです。きょうはガムシャラな前への気持ちが出てましたね」(高橋監督)。つまりは、もっと泥臭くやれ! ということだ。
 愛媛戦後の若林。「きょうのアシストは、自分がこれから結果を残すためのステップにしたいですね。焦り? なくはないです。早く点を取りたいですよ。1本、絶好のヘディングを外しちゃいましたが、あれは悔しい。次で取り返したい。次、絶対に得点しますよ」
 5月16日のホンダ戦か、遅くとも次のホーム戦となる5月23日の大塚製薬戦で初ゴールすることを、力強く約束してくれた。

 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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