第17回  前期3つのポイント (2004年7月1日)
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 JFLの前期が終了し、いよいよ正念場となる盛夏の戦いが始まる。栃木SCは、6勝6分け3敗で勝ち点24、16チーム中の5位。YKK AP、愛媛と共に3チームが同勝ち点で4位グループを形成している状態だ。どこが抜けて3位のザスパ草津を射程圏内にするか、注目の後期序盤戦となる。
 栃木SCは開幕前、「3位以内」と、いささか控え目な目標を掲げた。やるからには「優勝」を目標にしてほしいが、来季はJ2で戦うことになりそうな大塚製薬が走り過ぎている現状を見ると、ちょうどいい目標だったかもしれない。先行馬はかなり前だが、今の馬群から抜けて直線追い込みに入るためにも、高いモチベーションを保てる位置につけた。最後は鼻差でもいいから3着といきたいところだ。
 前期を振り返る時、ポイントが3つあった。
 <ポイント(1)序盤のつまずき>開幕から3試合(うちホーム2試合)で勝ち点1しか得られなかったことが、もう一歩、抜け出せなかった原因となった。
 <ポイント(2)4節以降の安定>3連勝3引き分け、大塚戦大敗(高橋監督は正攻法で臨んだことを反省している)の後、2引き分け3連勝。リーグ戦の常識では、優勝争いをするようなペースだ。4節から横山・遠藤・高野の3バックが定着したことは、安定感の要因かもしれない。
 <ポイント(3)ザスパ戦同点劇>ザスパ戦に関しては当コラム12〜14で詳しく書いた。この一戦で、栃木は一ランク上のチームとなった。つまり「地方の一チーム」から「全国の強豪チーム」に名乗りを挙げた。それが大げさな話でないことを翌13節からの3連勝で証明してみせた。
 高橋監督は第15節・国士舘大戦終了後のインタビューで、前期を次のように振り返った。
 国士舘大戦で決勝ゴールを決めたFW松永(右端)
  にかけよる栃木SCイレブン
(6月26日・東京西が丘サッカー場で)
「序盤は出遅れましたが、リーグ戦は負けないことが大事。徐々に、相手を押し切るサッカーが出来るようになってきました。選手一人一人が戦い方を熟知してきたんです。新しいメンバーもどんどん使って試せました。ザスパ戦も大きかった。あれでウチは乗れました。前期は100点満点で何点? そうですね、80点というところですかね。後期は、3位以内という目標達成のためにも、取りこぼしのないよう、しっかりと勝っていきます。夏場ですから、コンディショニングとケガに気をつけて、一戦一戦しっかりやっていきますよ。ザスパ? もちろん意識してますよ」
 後期第1節の相手は前期最下位の鳥取。アウェーだが、勢いのある栃木が負けるとは思えない。ただ、前期開幕戦のホームで引き分けた相手なので、ここは気を引き締めて、確実に勝ち点3を持ち帰ってもらいたい。


 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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