第24回  2日連続の公式戦 (2004年9月1日)
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公式戦初出場で初ゴールのFW中村
(8月29日・栃木県グリーンスタジアムで)
 ついに5連敗だ。リーグ戦は中位グループのダンゴ状態が続いているので、1勝すれば順位はジャンプするのだが、このへんが、相手を先に行かせてしまう栃木の県民性なのだろうか。5連敗の相手は佐川急便東京、佐川急便大阪、ホンダ、大塚製薬、愛媛。佐川の連敗は悔やまれるが、あとの3チームに敗れたのは仕方なしとしてもいいだろう。ホーム戦だった佐川急便大阪戦では勝ち点3がほしかった。それだけでも6位にいられたのに、その一試合分が響いて11位に甘んじている勘定だ。
 まあ、5連敗のことを語っても暗くなるから、ここは栃木SCが始まって以来の出来事を書いておこう。それは、公式試合が2日続いたということだ。8月28日のJFL第4節・愛媛FC戦(愛媛県総合運動公園陸上競技場)と8月29日の栃木トヨタカップ準決勝(栃木県グリーンスタジアム)。これだけではない。国体成年チームに選手を出しているし、8月中旬にはJFL選抜のサウジアラビア遠征に4選手(堀田、石川裕之、横山、松永)が招集された。
 2日連続の公式試合をどのようなメンバーで戦うのかが注目された。愛媛戦はGK原、DF松本、遠藤、高野、MF種倉、伊奈川、只木、岸田、FW石川大、松永、佐野。交代選手は高秀と茅島。これは、8月22日深夜に帰国したサウジ組のうち松永以外の3選手を除いたベストメンバーだ。天皇杯出場がかかって絶対に負けられない栃木トヨタカップ準決勝のメンバーはGK星、DF林、白川、横山、MF堀田、吉見、石川裕之、毛利、FW板橋、若林、中村。交代は高井、永井、大石、稲若。
パワー爆発の予感を漂わせたFW永井
(8月29日・栃木県グリーンスタジアムで)
 そのメンバー構成は、JFL重視とか、栃木トヨタカップ軽視とかいうものではない。栃木SCの置かれた状況の中で首脳陣が考えた布陣だ。栃木トヨタ杯の相手は矢板中央高(1回戦の結果によっては作新学院大)で、サウジ組を外しても負ける相手ではなかったが、高橋監督がしっかり指揮を執って(愛媛戦は浅野ヘッドコーチ)、3−0で確実に決勝進出を決めた。
 2得点の中村は「JFL組がいない時に、この重要な試合を落とす訳にはいきませんから」と、晴れ晴れとした表情で言った。首脳陣は若い選手たちにカラい採点をしていたようだが、素人の中年おじさん(私のことです)は彼らのプレーを見ることができてうれしかった。いつもはメンバー登録されない選手たちがピッチを駆けたという点で、栃木トヨタカップ準決勝は面白かった。「選手層が厚くなった」と言われ続けてきたが、その「厚さ」を初めて披露した週末でもあった。

 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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