第35回  アウェー戦連勝と行こう! (2004年11月14日)
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 後期第11節はアウェーで佐川印刷と対戦し、2−0で快勝だった。前半に相手DFが2度目の警告を受けて退場し、試合を優位に進めることができた。2得点はFW佐野(アシスト只木)と只木主将(PK)。警告累積で出場停止のDF高野の替わりに高木建太が初先発しフル出場。先の天皇杯予選で結果を出したMF中村吉克はJFL公式戦デビューを果たした。京都は遠いので行かなかったのだが、ファックスで送られてきた公式記録をながめながら、「栃木SCはアウェーに強いなあ」と感心した。今季9勝6分け11敗のうち、ホームで4勝3分け6敗と負け越しているのに対して、アウェーでは5勝3分け5敗と五分の星。アウェーに強いのは、一般論では、ディフェンスがしっかりしているということなのだが…。
 ところで、楽天の来季パ・リーグ参入決定で、歓迎ムードの仙台市民の映像を見ながら、よかったなぁと思うと同時に、その喜びの風景を、近い将来の栃木SCと重ね合わせた。栃木SCがJリーグ参入を表明・申請し、JFLを戦い、成績面も他の条件面もクリアした時、あの仙台市民たちのような笑顔が宇都宮や足利や栃木や真岡や、栃木県内いっぱいに広がるのだろうな、と思いながら楽天決定のニュースを見た。
 話のついでに書いておきたいことがある。なぜチーム名が「楽天イーグルス」(東北楽天ゴールデンイーグルス)なのだろうか。プロ野球を変えたいのなら、まずチーム名から企業名を外してほしかった。なぜ「仙台イーグルス」ではないのだろう。チーム名がすべて企業名であることが、パ・リーグおよびプロ野球界の問題を象徴しているのに。地域密着ではなく、企業の論理による運営という点で。そのへんのところから脱却しなければ、プロ野球の真の改革はできないと思う。
「地域密着」というのは、地元の名をチーム名に冠して、
しっかりと地に足を踏んばることを言う
 その意味ではサッカーの方が進んでいる、とはここには書かないでおくが、「本拠地名プラス愛称」のネーミングがプロ野球界でも当たり前になった時が、改革のスタートラインだと私は思っている。だから、楽天の参入は、古い体質を根っこに、ちょっと新しい芽が出たかな…という感じで、企業名をチーム名にしている以上、改革は期待しない。手法が変わるだけで、根は同じだからだ。仙台市にある宮城球場の地元ファンたちが「仙台!仙台!」と応援できなければ、仙台をホームにする意味が薄れてしまう(「東北」もおかしい。東北の土地鑑がない人の発想だと思う)。
 サッカーと同じくらい野球も好きな者として、日本のプロ野球が進化してほしくて、新球団参入決定に当たり、このようなことを夜な夜な思っている。チーム名の問題点を誰も指摘していないようだが、「名は体を表す」で、とても大切なことなのだ。
 さて、次節はその宮城県でのアウェー戦。前節の勢いで連勝と行きたいところだ。相手は「ソニー仙台」。企業名がついているじゃないか、って? JFLは国内3部リーグ。まだまだ発展途上ということ。ただし、J2に昇格する時には企業名から脱皮して、地元の街の名を冠することになる。

 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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