第36回  Aクラスにまだ望み (2004年11月25日)
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 後期第13節の国士舘大戦(11月21日、栃木県グリーンスタジアム)は2−1で勝った。一歩間違えれば引き分け、あるいは逆転負けもあり得る辛勝だった。攻め込まれ続けた後半の戦いぶりには苦言も聞かれたが、どんな形であれ、勝つことが大切だ。
 これで勝ち点は36となり、7位の可能性を残した。残り2試合、栃木SCがAクラスに食い込むためには、ともに勝ち点40の7位・群馬FCホリコシと8位・佐川急便東京が連敗し、栃木が連勝することが条件となる。得失点差が、現時点で8位と8点離れているので、栃木は1勝1分け(勝ち点40)ではダメだ。まずは次節で上の2チームが敗れ、栃木がデンソーに勝って、最終節の群馬FCホリコシとのAクラス入りをかけた直接対決に持ち込みたい。同じ北関東のライバルとの決戦でもあり、栃木SCのチームもファンも、最終戦まで高いモチベーション(動機付け)を保ってほしいと思う。
 国士舘大戦は、「ホームで勝ちから遠ざかっていたし、下位(15位)のチームには負けられない気持ちが強かった」(高橋監督)。母校相手ということも少しは意識にあっただろう。「先手必勝で臨んだので、狙い通りいい時間に先制できた。追加点もあったし。ちょっとした油断で失点してしまったけれど…」。
ゴール前の攻防
(11月21日・栃木県グリーンスタジアムで)
 先制点は前半3分、堀田が入れた左CKを国士館OBの佐野が2人のDFと競り合いながら頭で決めた。追加点は24分、右サイドの種倉が中央に入れたグラウンダーのパスを石川裕之が右足でちょっと触れて後ろに流した所に只木が走り込んだ。「パスが来た瞬間、後ろでヒロ!と只木さんの声がしたんです」(石川)。うまい連係というか、只木の気迫に石川が釣られたというか。只木は相手DFに詰められながら執念で蹴り込んだ。
 失点は43分、FKから身長166センチの本田にヘディングで食らった。後半は大学生に押され気味で、やっと逃げ切った感じだった。しかし、ロスタイムにFKから失点して敗れた前節(ソニー仙台戦)の悔しさは選手たちに刷り込まれていたようで、守備の集中力は悪くなかった。ただ、素早くてシンプルなカウンター攻撃くらいは見せてほしかった。


 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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