第38回  最終戦に大きな見せ場 (2004年12月1日)
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デンソーに逆転勝ちとなる2ゴールを決めた
高秀は今季の“新人賞”候補
(後期第13節・国士舘大戦で)
 後期第14節のデンソー戦は2−1で勝った。この勝利にはいくつかの意味がある。「今季Aクラスに望みをつないだ」「今季10位以上(7位以下)を確定した」「後期初の連勝」「今季初の逆転勝ち」……このうち最も重要なのはAクラス入りの可能性を残したということ。勝ち点は39となり、7位・佐川急便東京(勝ち点41)、8位・群馬FCホリコシ(40)が射程圏内。群馬とは、何と最終戦のホームで直接対決だ。栃木が勝てば勝ち点42で、群馬を抜いて8位。さらに佐川急便東京が国士舘大に敗れれば、栃木は7位に急浮上して今シーズンを終了する。これが一番いい形。しかし、群馬と引き分ければ、群馬は勝ち点41、栃木は40で及ばず9位でBクラスとなる。栃木が負けて、アローズ北陸が愛媛に勝つようなことがあると、勝ち点39で並んで、得失点差でアローズが上回り、栃木は10位に沈む。
 後期に5連敗と3連敗を喫して「3位以内」の目標を失った後、最後に残った目標は、昨季に続く「Aクラス入り」。その決着を最終戦まで持ち越した点で、デンソー戦の逆転勝ちは大きかった。さらに、ホームでの最終戦の相手は、開幕前からライバル意識少なからぬ、同じ北関東の群馬FCホリコシ。Jリーグ参入を表明して参戦した群馬との、前期のアウェー戦は2−4で完敗だっただけに、リベンジの舞台でもある。こういう試合、サッカーファンはたまらなく燃え上がる。タイムアップのホイッスルが鳴るまで、歓声と悲鳴の連続だろう。そこで栃木が勝つことが、どれだけ重要なことか。今シーズンの集大成と言ってもいい、大きな見せ場となる。
 デンソー戦は、開始5分に先制されたが、56分に石川裕之に代わって投入された高秀が、83分に種倉のミドルシュートがゴールポストにはね返ったところを頭で押し込み同点。87分には再び高秀が、若林のパスを右足ダイレクトでシュートを決めた。高秀は出場14試合ぶりの得点。ルーキーながらチーム内3位タイの5得点となった。シーズン終了後、「栃木SCふぁん!」MVPと同・新人賞を、私が勝手に決めて勝手に発表する予定だが、高秀は新人賞の最有力候補となった。
 12月5日の最終戦。群馬が翌週(12日)の天皇杯5回戦で、J1のジュビロ磐田と対戦することで胸一杯になっていれば、こっちのものだ。栃木は3バックの要の横山が警告累積で出場停止なのが痛い。高野、遠藤、高木、松本らでしのぎ切ってほしい。FWでは、まだ3得点の若林がこのままでは終われない。あと1点でJFL通算30ゴールとなる佐野にも期待しよう。

 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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