第40回  「新人賞」発表! FW 高秀賢史 選手 (2004年12月14日)
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後期・YKK AP戦で浅野ヘッドコーチから指示を受ける高秀
(10月24日・栃木県グリーンスタジアムで)
 ジャーン! 当コラム筆者が独断で選ぶ「2004栃木SCふぁん! 新人賞」は、FW高秀賢史選手!!!
 宇都宮北高から宇都宮大学に進み、県大学リーグで3年連続の得点王。シーズン前のセレクションに参加したが、地元出身選手として栃木県最強チームに入団することは自然な成り行きだった。そして、期待通りの活躍を見せてくれた。
 開幕スタメン、今季初勝利をもたらした決勝ゴール、ザスパ戦奇跡の同点劇の1点目、今季唯一の逆転勝ちを決めた2ゴール、最終戦の同点ゴール、全30試合で27試合の出場、チーム内3位の6ゴール。新人ながら、ずいぶん貢献したものだ。
 「試合の後半、相手もキツい時間帯になった時、高秀のスピードと、貪欲にゴールに向かう姿勢は脅威のはず」と、高橋監督は高秀を切り札として起用し続けた。高秀は「開幕のころは気持ち的に一杯一杯でしたが、少しずつ慣れてきたし、やることが明確になって、周りが見えてきました」と振り返る。10試合目ごろから自信がついてきた。「やること」というのは、スーパーサブとして、スピードを生かした縦の動きで得点に絡むということ。しかし、夏ごろにゴールから遠ざかって、焦りが募った。自信を失った。9月中旬、国体合宿中に、只木主将と3時間も語り合った。「得点できない自分が、なぜ使われ続けるんですか」。只木は開幕のころと同じ言葉で答えた。「試合の途中で出て、流れを変えられるのは、オマエだからだ」
 高橋監督に「ミスしてもいいから笑顔でやって来い!」と送り出された後期YKK戦で初のフル出場を果たした。逆転2ゴールの後期デンソー戦では「高秀に回せ!」というベンチの声が聞こえた。期待と信頼を感じ、自信を取り戻すことができた。
前期・佐川印刷戦で左サイドの突破に挑む高秀
(4月18日・栃木県グリーンスタジアムで)
 「来季は、ゴールやアシストという結果をコンスタントに残していきたいです。それには、もっと周りを見て状況判断を良くしないと…」。宇都宮大の大学院で学ぶ23歳の、学問とサッカーに打ち込む"熱い青春"はまだまだ続く。

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 新人賞の次点はFW茅島史彦選手(24試合4得点)。近い将来、ゲームを左右する存在となる逸材だ。次回はMVPの発表! 候補はGK原、DF横山、MF堀田、只木、FW佐野です。


 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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