第41回  「MVP」発表! MF 堀田利明 選手 (2004年12月17日)
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後期・国士舘大戦でゴール前
フリーキックの狙いを定める堀田
(11月21日・栃木県グリーンスタジアムで)
 ジャジャーン! 当コラム筆者が独断で選ぶ「2004年栃木SCふぁん! MVP」は、MF堀田利明選手!!!!
 全30試合で29試合に出場した。欠場の1試合は後期第4節のアウェーの愛媛戦(8月28日)。JFL選抜のサウジアラビア遠征から帰国直後だったので、その翌日に地元で行われた天皇杯予選の方に起用された。だから、事実上のフル出場と言っていい。これだけでも賞賛に値する。昨季に続きチーム内最長時間出場。その体力・体調の維持管理は他選手の模範だ。開幕当初から「30試合出場が目標」と言っていた。シーズンを終えて、堀田は「ケガがなかったので…」と満足そうな顔だった。
 堀田のポジションは、守備的ミッドフィルダーと言われるボランチ。栃木SCは多くの試合で3・4・3の布陣を敷いたので、中盤4人が作るダイヤモンドの底に位置した。1ボランチの攻守にわたる役割の多さと運動量は半端ではないが、夏の猛暑の中でも堀田はきっちりと責任を果たしていた。「確かにボランチはキツいですよ。でも、勝つためには攻撃的に行こうと心がけていました。春先の早い段階から体作りをしましたからね」。前への意識が高く、常にミドルシュートを狙っていた。
 今季初勝利(第4節・佐川印刷戦)の
後期・群馬戦で小松原(右)に競り勝つ堀田
(12月5日・栃木県グリーンスタジアムで)
立役者は1ゴール1アシストの堀田。 これが前期快進撃の出発点となった。 しかし堀田は、見かけ上は好調だった前期、「何かが違う」と感じていた。確信を持てる勝利というよりは「できた。次も何とかなるだろう」といった、ふわふわした中での勝利だったのだ。後期、イヤな感じが現実となってしまった。「何となくやっていてはダメ。自分が何とかしてやろう、とみんなが感じないと。そして、もっと自信を持ってプレーしないと…」と、シーズンを振り返った。
 いつごろからだろう。堀田は試合中、誰よりも大きな声を出すようになった。守備陣を引き締め、攻撃陣を鼓舞する。「3・4・3をやる上で、コミュニケーションは何よりも重要」だからだ。只木主将や伊奈川と同じチーム最年長(29歳)としての自覚もあるのだろう。「只木や堀田が正面を向いてプレーできれば、いい展開ができる」という高橋監督の言葉どおり、堀田は栃木SCの操縦桿を握る存在だ。今季の堀田は、一層の円熟味を増して、緑の芝の上に君臨した。29試合2610分。ロスタイム141分46秒を含めると、45時間51分46秒の獅子奮迅だった。

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 MVPの次点は、八面六臂の活躍のMF只木章広(27試合7得点)と、スーパーセーブ連発だったGK原裕晃(29試合)。

 ☆ 篠崎豊プロフィール
1956年、宇都宮市生まれ。記者歴27年。Jリーグ、JFLなどサッカー取材多数。読売クラブ時代からのヴェルディ・ファン。2004、05年に栃木SC写真展を開催。栃木よみうり前編集長。
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